2021/9/21

働きざかり世代の補聴器選び

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、
 
ついこの前に猛暑についての記事を掲載したばかりと思っていましたが
 
朝晩は随分涼しく過ごしやすくなりました。
 
こんにちは。きこえのパートナーイマーゴ・認定補聴器技能者の杉本です。
 
さて、今回は『働きざかり世代の補聴器選び』について考えてみたいと思います。
 
補聴器というと、「お年寄りが使うもの」「シニアのためのツール」と思ってはいませんか?
 
実はきこえの低下自体は早い方だと30代後半あたりから始まる方もいらっしゃいます。
 
また先天性難聴は実に出生1000人に対し1人認められる疾患であり
 
小児期に発症する進行性難聴を抱えているお子さんは約600人に1人と言われています。
 
「きこえづらさ」を抱えている方は皆さんが思うよりももっと身近にいるのです。
 
(新生児・幼児~児童については耳鼻科医の指示のもと補聴器装用をご検討ください)
 
なかでも「働きざかり世代」の方は仕事や家庭の忙しさにかまけて
 
ご自身のきこえの低下になかなか気づけない面があります。
 
気づいたとしても向き合う時間的余裕がないなど、どうしても後回しになってしまうようです。
 
では「きこえの低下が招くトラブル」にどのようなものがあるかを考えてみましょう。
 
 
①会議などでの会話の聞き取りに自信が持てない
 
②マスク着用での会話が聞き取れない
 
③人との距離を縮めないと会話が聞こえない
 
④電話での応対が苦手
 
⑤自声が大きい
 
⑥テレビの音量が大きい
 
⑦雨の降りだす音に気づけない
 
⑧子供が騒いでいてもあまり気にならない
 
 
思いつくまま書き出しましたが、トラブルの数としてはかなり多いのではないでしょうか。
 
特に①~⑤は仕事上これは困るだろうと上げました。
 
⑥~は家庭内で起きるものですね。
 
仕事をされているのであれば会議はもちろん、数人での会話もよくあることですし
 
電話をかけることも受けることも日常的に行うことですよね。
 
接客業であればお客様との距離やマスク着用はもはや義務です。
 
以外なのは「自声」についてかもしれませんが、
 
難聴が進行していく際に「自分の声が小さくて聞き取りづらくなる」ことから
 
無意識に大きい声を出すようになる場合があります。(個人差があります)
 
自声の大きい方は、お客様にきこえないよう声を潜めて話をするときなどが問題になります。
 
⑧については子育て中の方が大きく関わってくる問題です。
 
子供に騒いではいけない場所や時間などTPOをわきまえた行動を促すのは
 
親であれば教えてあげなければならないことと思いますがきこえが低下すると
 
「子供がうるさく騒いでいることに気づかない」のです。
 
他の方が迷惑と感じていてもきこえていない状態では
 
「この程度で何を」とスルーしてしまうのです。
 
これは親御さんだけでなくお子さんにとっても大変不幸なことです。
 
では、働き盛り世代の難聴にどう向き合うか。
 
勿論ご来店いただければご相談をお受けいたしますが
 
できれば、まずは耳鼻科の受診をおすすめします。
 
診察を受けることで適切な治療で聴力が回復できる場合があります。
 
診察を受けて「今のご自分の耳ときこえの状態」を知ってから補聴器を検討されても
 
遅くないと思います。
 
 
 
もう仕事も卒業、家庭も今は連れ合いの方と二人暮らし…のシニア世代の方と
 
働き盛り世代の方では選ぶ補聴器にかなり差があります。
 
何が違うかというと「補聴器を使う場面の雑音の多さ・大きさ」が違うのです。
 
シニア世代の方は主に静かな環境の中で補聴器を使っていますが
 
働きざかり世代の方は静かな環境に身を置くことのほうが少なく、
 
会話はもちろんのこと仕事柄屋外にいることが多い、室内でもBGMや放送が流れるような
 
店内にいるなどかなり色々な音が入る場面のほうが多いのです。
 
そんな中でも電話を受けたり大人数で会話をしなければならなかったりと
 
使う方も大変ですが補聴器もしっかり性能を発揮できるものを選ばないと
 
期待していたきこえにならず残念な結果になってしまいます。
 
補聴器は各メーカーで音作りのコンセプトが違うのですが
 
選ぶグレード(ランク)としてはどのメーカーでも4~5段階に分かれ
 
上位機種になればなるほど雑音の抑制機能が強く働きます。
 
働きざかり世代がしっかり仕事でも家庭でも実力発揮できるためには
 
スタンダード(標準)グレード以上のものを検討いただくことをおすすめします。
 
それ以下のものでは使う場面と補聴器の雑音の処理能力がかみ合わず購入しても
 
なかなかうまく役立たない可能性が高いと思われます。
 
また、補聴器の形もとても大切です。
 
屋外で使うことが多い方、マスク着用でお仕事をされる方は
 
もしかしたら耳あな型補聴器のほうが使い勝手は良いかもしれません。
 
耳かけ型よりも汗の干渉が少ないこと、マスクのつけ外しに邪魔にならないなど
 
きこえ以外の部分ですがストレスなく使えると思います。
 
電話でのやり取りが多い方でしたら
 
携帯電話と連動してハンズフリーで補聴器から直接電話の音声を聞くことができるものも
 
多数発売されています。
 
長時間装用される方ならば電池交換しない充電できる補聴器が便利でしょう。
 
このように使う方に合わせて様々なメーカー、多種多様な形状、そしてグレードから
 
慣れやすいもの、使い勝手の良いものを選んでいただけるようお手伝いするのが
 
補聴器専門店であり、認定補聴器技能者のお仕事だと私は思います。
 
 
 
補聴器は「年を取ってから着けるもの」ではありません。
 
今、きこえでお困りであれば年齢にかかわらず、生活の質を上げるための
 
道具としてお考えになってはいかがでしょうか。
 
きこえについて補聴器についてのご相談いつでもお受けしております。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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