2024/6/29
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補聴器の両耳装用について |
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インターネットで【補聴器】と検索すると医療・介護関係や製造メーカー、 補聴器販売店など各方面から色々と情報発信されていますね。 その中でも「補聴器の両耳装用」についてのお話が沢山上がっているように感じます。 今回は「補聴器の両耳装用」について考えてみたいと思います。 両耳装用のメリット・デメリット メリット面 ①音の方向感・距離感の向上 →両側から音声が入ってくるのでどこからきこえてくるのか、 またどのくらい離れたところの音声なのかが掴みやすくなる ②騒音下でも聞き取りやすくなる →①の方向感覚が掴みやすくなるので複数人での会話聴取がしやすくなります ③疲れにくくなる →本来耳は2つあるので補聴器を片方の耳に着けると片側だけのきこえになります。 片耳に頼った生活は体のバランスを崩しやすくなります。 また、片耳ではどうしても音量を上げての装用になりやすいです。 両耳から適切な音量できこえてくる方がずっと大きな音に晒されているよりも 疲れにくいです。 ④脳の聞き取り能力の低下を予防する →難聴を放置し補聴器を使わずにいると音が聞こえないだけでなく 会話を理解する力が低下してしまいます。 会話を理解する力は耳ではなく脳が持つ力です。 この力の低下は補聴器では解決できません。 両方の耳をしっかり補聴器でサポートしてあげることで脳の機能低下を予防できると 言われています。 デメリット面 ①費用→両耳に補聴器を誂えるとなると2台分となるので当然費用はかかります。 加えて故障した場合やメンテナンス費用なども2台分発生します。 ②雑音のうるささ→初めて補聴器を装用する際、一番気になるのが周囲の雑音ですが 健聴の人もそれは感じていることで、うまく雑音をいなせるよう 慣れていけば、これはあまり問題ではないと思います。 ③見た目→以前は「2つも補聴器を着けるのは格好が悪い」と仰る方もいましたが 現在販売されている補聴器は小型化が進み両耳に着けていてもほとんど 見た目では分かりません。 また、ワイヤレスイヤホンの普及で片方だけの装用に抵抗を感じるという方も 増えてきています。 両耳装用に向く人・片耳装用に向く人 「両方の耳の聴力が同じくらいの程度で低下している方」は両耳装用に向いています。 片方の耳が失聴・もう片方が難聴の状態の場合は少しでもきこえの良い耳に 補聴器を装用します。理由は失聴=悪い耳に着けても補聴器の効果が出ないからです。 逆に、片方の耳に全く問題がない健聴状態の場合は 悪い方の耳=難聴の状態が確認された耳に装用します。 正常にきこえている耳には補聴器は不要です。 自己判断しないで耳鼻科で相談を では、上に記したことを自分に置き換えるとするとどうでしょうか? 自分のきこえの状態を正確に把握している方は実はとても少ないです。 「こちらの耳は全然きこえないんです」「こっちの耳は良く聞こえていて何でもない」と仰る方でも 実際に測定してみると左右で聴力に差がある状態だったなど、割とよくある話です。 また、本当は両耳装用が必要なのに片耳装用にこだわったり、 左右差のある聴力なのに、きこえの悪い効果の出にくい耳への装用を 強く希望されたりなども見受けられrます。 なので勝手な自己判断はせずに、まず耳鼻科できこえの相談をして 難聴と診断された場合は治療すれば治るのかそうでないのか、 治らない場合、補聴器の装用をした方が良いのか、 また補聴器を装用する際は両耳に着けるべきなのか、 片方が向くのかをよく伺ってください。 ご自分の今のきこえの状態をしっかり「知る」ことはとても大切です。 インターネットの情報だけを見ているとすべての人に対して「補聴器は両耳に着けるもの」と 錯覚を起こしそうになりますが実際は一人一人のきこえの状態に合わせて 適切な診断が必要になるとてもデリケートな問題なのです。 医師からのアドバイスを参考にしつつ、 実際に「両耳装用でのきこえ」「片耳装用でのきこえ」をテスト用の補聴器で試聴してみる 方法もあります。 このようなご希望もございましたらぜひお話ください。 試聴期間を有意義に活用できます様、対応いたします。 |
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